BLOG

ブログ

腰椎分離症とは?骨が折れている?不安になってしまっているあなたに原因と改善方法をわかりやすく解説

病院でレントゲンやMRIを撮り
折れてしまってる骨の状態を見せられながら
『腰椎分離症』と診断され、びっくりしていませんか?
正しい知識を持つことで
過剰な不安を感じることもなくなり
あなたの状態にあった治療を選択できるようになります。
原因から改善方法まで徹底解説していきますので
お悩みの方は是非最後までご覧ください!

目次

腰椎分離症とは?

分離症は、腰の骨の椎弓(ついきゅう)と呼ばれる
後方部分が骨折した状態のことを指します。
疲労骨折が原因と考えられており、成長期のスポーツ選手に多発します。
日本の一般成人では約6%(男性8%、女性4%)に認められます。

すべり症と併発して起こるものもあります。
すべり症に関してはこちらの記事を参考になさってください。

疲労骨折ってどういうこと?なぜ起きるの?

腰椎の後ろ半分は「椎弓」といってリング上の構造をしています。
構造的に弱い部分で、背中をそらす動作やジャンプからの着地のような動作で負荷がかかります。
そういった動作を繰り返されると骨にひびが入ってきます。これが疲労骨折です。
すべての人が分離症になるわけではなく、体質的な要因もあります。
一番下の腰の骨(第5腰椎)によく起こります。

今までの治療の経験だと
サッカーか野球にかなり真剣に打ち込んでいる
中学2年から高校1年生くらいに多い印象があります。

もちろん一概には言えませんが
ハードで休みの少ない非効率な部活でのトレーニングと
選手の状態を把握しておらず
痛みがあることを言い出しにくい雰囲気が
疲労骨折を引き起こす要因であり
顧問やコーチの責任も大きいように感じます。

選手の方も痛みを訴えてスタメンから外されてしまうことや
チームに迷惑がかかることを恐れて
自分の口から親やコーチに伝えられず悩む子もおられます。
疲労骨折が判明した時は子供を責めてあげないでほしいですね…。

腰椎分離症の症状

症状はタイミングによって異なります。

最初の段階では、腰を反らしたときに狭い範囲に限られた痛みを感じ
ほとんどがスポーツ中やスポーツ直後に腰痛を自覚します。
どこが痛いの?と聞いたときになんとなくこの辺りという訴えではなく
指一本で骨の部分を刺すというのが特徴的です。
この段階は疲労骨折の状態なのでなんとかスポーツも続けてしまえるというのが
中高生のスポーツ選手でのすべり症の怖いところです。

その後運動を休止せず無理をしていると、完全に骨が折れてしまいます。
痛いままそのまま長期間放置していると分離が完成してしまい、分離部は偽関節(ぎかんせつ)というグラグラな状態になります。
こうなると治りにくくなり、症状が長引きます。
症状は主に腰痛で、神経部に問題が起これば下肢痛(足への痛み)も生じます。
このときの腰痛の原因は分離部の炎症なのでマッサージや整体でも治せませんし
炎症部分をグリグリ刺激することでより症状が増悪することもあるので要注意です。

また偽関節となった分離部は、周囲に骨の棘(とげ)が発生し、神経と接触することで下肢痛を引き起こすことがあります。
長時間座っていたり、立っていたりしても症状を自覚し、さらには歩行時にも下肢痛やしびれなどの症状が出てくることがあります。
若い頃の腰痛を放置した方で、年をとってからも腰痛を持病で持っていて医療機関にかかられる方の中に、この分離症による偽関節を認めることが多くあります。

分離症の怖さ

悪化してしまうと骨折そのものになってしまう分離症は
適切な治療を受けないととても危険なものです。

最悪、偽関節になってしまうと骨が元のようにくっつくことはありません。
ずっと痛みや痺れに悩まされることにもつながります。
骨が安定せずグラグラしたり
骨のトゲによって中長期的には背骨の隙間が狭くなる
脊柱管狭窄症になってしまう可能性も高くなります。

ここまでのリスクを親もコーチも把握していないケースが多く
「中体連最後の大切な大会だから」
「我慢できる痛みだからなんとか出場したい」
そういった気持ちもぼくもずっとサッカーに打ち込んでいたのでとても理解できます。
ただ、年齢を重ねてから
・痛みや痺れに悩み、やりたいことができない辛さ
・整体やマッサージに通うとした場合の金銭的負担
・将来的に手術をしなければいけないこと
そういった諸々のリスクを説明して
一生懸命に努力してきたお子さんの最大の舞台でも
勇気を持って止めてあげるのも親やコーチの責任なのではないかと
「腰痛専門」の整体院をずっと運営してきたぼくは考えます。

分離症の病院での基本的な対応

では病院ではどんな処置が多いのかですが
基本的には「手術療法」と
手術をせずお薬やリハビリでなんとかする「保存療法」にわけられます。

腰椎分離症の保存療法について

基本的にはオペをしない保存療法が選択される場合が多く
治療法は状態によって異なります。

発生初期の段階の分離症に対しては、骨癒合(骨がくっつくこと)を目指した根治治療が行われる場合が多いです。
まずコルセットを装着し、骨のくっつき具合に応じて3〜12ヶ月間のスポーツ中止が指導されます。
手や足の骨折に対してギプス固定をおこない安静にするのと全く同じです。
きちんと治療をおこなうことができれば、保存的な治療で完全な治癒が得られる確率が高まります。
腰に負荷がかからないように
股関節周囲の筋肉のストレッチを指導される場合もあります。

さらに悪化してしまった偽関節の状態の分離症に対する治療は
前述したようにコルセットを装着して安静を保っていても、骨の癒合は望めません(くっつかない)ので
痛みの管理が治療の目的になります。
分離部由来の腰痛に対しては、消炎鎮痛剤(痛み止め)の内服から始まり
症状が強い場合にはブロック注射を行います。
保存治療で効果がない場合は、根治的な手術を行います。

分離症の手術はどんなもの?

分離症の手術は
早期のスポーツ復帰を希望される場合や、長期の安静が困難な場合
また分離の進行があり保存的に骨の癒合を得ることが難しい場合に選択されます。
これも偽関節の有無が手術選択に影響を及ぼします。
偽関節になっていない状態であれば、体の負荷を抑えて分離部分を修復する手術が可能です。
この手術では、腰に約1-2cmの切開を加え、筋肉を温存したままネジを骨折部に1本入れて(左右両方の場合は計2本になります)
分離部の固定をおこないます。
傷が小さいため入院期間も比較的短く(約3-7日間)、術後早期の競技復帰が可能となります。

偽関節の手術の場合
筋肉の剥離操作を伴うため侵襲(体の負荷)が大きくなります。
また偽関節部の骨の癒合を得るために、新しい骨を別の場所(多くは腸骨という骨盤の骨)から採取し
偽関節部に、骨の移植を行う必要があります。
偽関節がさらに進行していくと、椎間板が傷んでしまい、腰の骨がずれてくることがあります(腰椎分離すべり症)。
すべり症を呈している場合には、スクリューと椎体間ケージを用いた腰椎後方椎体間固定術を行うことがあります。

このように分離症の治療は進行段階によって徐々に変わっていきます。
しかし、早期に発見して治療の軌道に乗せることができれば、しっかりと治すことができます。
スポーツ中に腰痛が続く場合には、整形外科を受診していただきたいです。
整体やマッサージだと骨の状態はレントゲン等の画像を撮れないので
しっかりと専門機関で診察を受けることをお勧めいたします。

自分で分離症の症状を緩和させる方法は?

ここでは
痛みや痺れを自分で多少なりとも改善する方法と
分離症になってしまい、痛みが落ち着いた時と
手術後にやってほしいケアの方法をお伝えしていきます。

分離症の症状を自分で少しでも改善する方法

とにかくまずは股関節の動きを取り戻し
腰の骨にかかる負荷を減らすのが絶対に必要です。

やり方としてはできれば
テニスボールを用意してください。
100円ショップとかで売っているもので大丈夫です。
家にない場合は瓶の底のような
少し硬くて、丸い形状のものであれば大丈夫です。

ご準備いただけたら
①仰向けに両膝を曲げて寝る
②お尻の押すと痛気持ちいいところを探してボールをセット
③セットされている足だけを横に倒して深呼吸をゆっくり5回繰り返す
これを朝と夜欠かさず行ってください。

少しずつお尻の筋肉の緊張がほぐれて
腰の痛みや足の痺れが改善される方が多いです。
少しわかりにくいと思うので
こちらの動画もご参考になさってください。

痛みが落ち着いた時orオペ後にやってほしい分離症対策

予防方法はシンプルなもので、スクワットがいいです。
お尻の筋肉を鍛えてあげて
正しく動くようにしてあげるだけで大きな予防になります。
①肩幅より少し大きく足を開いて立ちます
②目線の高さに腕を上げます
③膝が爪先より前に出ないようにゆっくりお尻を下ろします
④ゆっくり10~20回ほどを毎日繰り返しましょう
筋肉痛が強かったり、腰に痛みを感じるような時は
むりをせずやめましょう。

整体やカイロプラクティックは分離症に効果的?

基本的に分離症は骨の問題ですので
特に最初の時期の炎症が起きている時期などは
整体やカイロプラクティックでは症状の改善は難しいように思います。

発症から長くかかった慢性的になった状態に関しては
股関節や肩甲骨といった他の関節の動きを出すことにより
腰の部分の負荷が減るので
結果的に痛みが減ることはありますが
中高生の分離症に関しては安静にする他ないケースもあります。

分離症をすぐに治せると伝えるようなお店は
医学を理解していないか、詐欺の可能性が高いので注意してください。

「腰痛専門」整体院である私が総院長を務める
整体院札希-さつき-も治せないものを治せるといって通院させることが
最も危険でやってはいけないことと考えていますので
急性期の分離症に関しては
専門医をご紹介させていただく形で対応させていただくことが多いです。

3ヶ月以上痛みが続くような
慢性的な症状に関しては違う部分に痛みの原因が隠れている場合がありますので
整体院の治療でも効果が期待できます。

もちろんご相談はいつでも受け付けておりますので
遠慮なく下記のフォームからご相談ください。

SHARE

ブログ一覧

ホーム > ブログ > 腰椎分離症とは?骨が折れている?不安になってしまっているあなたに原因と改善方法をわかりやすく解説